間取りに関わる建ぺい率や容積率

建ぺい率と容積率って何? 注意点は?

土地を探していると、不動産屋から販売図面を提示されるかと思います。その中には土地の価格、公共交通の駅からの距離、所在地などいろいろな情報が書かれていますが、建ぺい率、容積率など、難解なキーワードも普通に使われていますよね?これらは何を意味するのでしょうか?
そこで今回は販売図面に必ず書かれている建ぺい率と容積率について、基礎的な知識をまとめたいと思います。この先、土地探し、家づくりの際には何度も登場してくる言葉ですので、この際覚えてしまいましょう。

建ぺい率とは「ぺい」の意味を考えると分かりやすい

まずは建ぺい率からスタート。建ぺい率とは、その土地にどれだけの広さの建物を建てられるのかという話ですね。
例えば100㎡の土地に建ぺい率の制限が50%と書かれていたら、その土地の半分(50㎡)以上の建物はダメ。逆を言えば、土地の半分までなら建物を広げて建てていいという意味になります。土地の残りの半分は家屋、半分は庭や駐車場といった感じですね。

建ぺい率30%の土地もある

数字が大きければ大きいほど土地を有効活用できるように思える建ぺい率。世の中には30%や40%といった低い土地もあり、建ぺい率が高い土地とは違ったメリットを持っています。

高級住宅地や由緒ある住宅地とされるエリアでは、日当たりの良さやゆとりなどの住環境を守るために、建ぺい率を低く設定している場合があるのです。鎌倉のような歴史のある住宅地、田園調布のような高級住宅地の建ぺい率が抑えられているのには、こういった理由があります。

また、田んぼなどが広がる田園地帯にも、低い建ぺい率が設定されている場合が。農業の増進と低層住宅の良好な住居環境を保護するために、田園住居地域として都市計画で定められている場合は、土地めいっぱいに建物を建てることができません。

ただし、田園地帯の場合は土地開発が進むと建ぺい率の見直しが行われ、30%から40%、50%に上げられるケースも少なくありません。田園地帯に急に建売住宅が増える現象は、開発が進めるために建ぺい率を一戸建てが建てやすい50%に調整したことで起こります。

容積率は「容積」という言葉の意味を考えてみる

一方で容積率とは家の中の広さ、言い換えれば床の広さをどこまで広げていいかを決めた基準が容積率になります。例えば100㎡の敷地で建ぺい率50%、容積率150%の制限だと、建ぺい率は50%ですから、敷地の半分の広さ(50㎡)の家を建てられます(建ぺい率)。ただ、家には1階、2階、場合によっては3階と高さを伸ばす方法があります。家の中の大きさは容積率で制限されています。100㎡の敷地に容積率150%という制限がかかっていたとしたら、家の広さはトータルの床面積で150㎡まで確保できます。いわゆる、延床面積です。簡単に言うと、先ほどの100㎡の土地に建ぺい率50%容積率150%の場合、1階50㎡の3階建ての家をつくるのも、1階30㎡の5階建ての家でも建てられます。ただし、その他の制限があり、5階建ては禁止などがありますので、注意が必要です。

建ぺい率と容積率のバランスが悪い土地

一戸建てを建てる場合、容積率が建ぺい率の2倍になっていればバランスのよい比率だと言えます。

建ぺい率が50%だった場合、一階の面積は土地面積の50%まで。さらに一階と同じ面積で二階を建てるためには+50%必要なので、必要な面積(=容積率)が建ぺい率に対して100%、つまり2倍となる、というわけです。

建売住宅では建ぺい率50%、容積率100%というのが一般的な数値。なかには建ぺい率50%に対して容積率80%というバランスの悪い土地もあるので、注意が必要です。

なぜバランスが悪いかというと、1階の面積を土地面積の50%で建てる場合2階は土地面積の30%以内に収めなければいけないので、一階に比べて二階が小さくなるためです。

昔からの住宅地に2階が小さい住宅が多いのは、建ぺい率に対して容積率が低い結果です。

一戸建ての場合、建ぺい率と容積率のバランスを確認しておくのも大事ですね。

建ぺい率や容積率は土地の用途で大まかに決まる

建ぺい率と容積率、この2つの基準は土地の用途で決まります。その土地が住居向けなのか、商業向けなのか、工業向けなのかで大まかに建ぺい率と容積率が決まります。同じ100㎡の土地でも、土地の用途が違えば、建つ建物は変わってきます。具体的に各地域でどのような建物が建つのか見てみましょう。

住居系地域

住居向けと定められている地域でも、細かく7種類に用途が分類されています。一例として低層住宅の専用地域(第一種低層住居専用地域)を見ると、建ぺい率が30~60%、容積率は50~200%という基準が土地に応じて設けられています。仮に建ぺい率が50%、容積率が100%だとしたら、土地100㎡に対して、半分(50㎡)が家、残りの半分(50㎡)が庭や駐車場といった感じのマイホームが建ちます。

そこで、上記で挙げられた「第一種低層住居専用地域」についてもう少し説明していきたいと思います。

まず、第一種低層住居専用地域は低層住宅のための地域で、小さな店舗や住宅兼会社の事務所、高校や大学を除く学校などが建築できます。その他にも建築できるものがあるのですが、それは下記の通りとなります。

建てられるもの
  • 戸建てやマンション
  • 店舗兼住宅や住宅兼会社の事務所
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校
  • 図書館
  • 神社、寺院、教会
  • 老人ホームや身体障害者のための福祉施設
  • 保育所、公衆浴場、診療所
  • 老人専用の福祉施設、児童厚生施設(延べ面積600平方メートル以下のみ可
  • 派出所、電話ボックス

以上が建築できるものとなります。では、逆に建築できないものにはどういったものがあるのでしょうか。

建てられないもの
  • 大学や専門学校
  • 大学病院や国立病院
  • お店となる所在が2階より下で床面積が150平方メートル以内のもの
  • お店となる所在が2階より下で床面積が500平方メートル以内のもの
  • これまで以外の物品販売業
  • お店となる所在の床面積が10000平方メートルを超えるもの
  • ボーリング場、スケート場、プール
  • ホテルや旅館
  • 雀荘やパチンコ店
  • カラオケ店
  • 車庫(2階より下で床面積が300平方メートル以下)
  • 営業用倉庫、車庫(3階より上または床面積が300平方メートルを超えるもの)
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル未満)
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル以上)
  • キャバクラ、キャバレー
  • 風俗店(主にソープランド)
  • 工場(50平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 自動車修理工場(300平方メートル以下)
  • 工場(150平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 工場(かなり危険で周りに悪影響を与える可能性が大きい)
  • ガソリンスタンド
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にあまり関係していない建物
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物に少しだけ関係している建物
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にかなり関係している建物

以上が第一種低層住居専用地域では建築することができない建物となります。大きな特徴として、周りに住む人たちの環境を多く守るということではないでしょうか。

これらを見てわかる通り、用途地域の中で最も規制の厳しい地域が「第一種低層住居専用地域」となるのです。良好な環境を維持するために、建てられる建物の高さや建ぺい率、容積率が低く設定されているということです。それと、店舗に関しても細かく、そして厳しく制限もされています。

では、なぜ高さや建ぺい率、容積率が低いと良好な環境を維持することができるのでしょうか?

例えば、高さ制限が10メートルだとせいぜい建てられて3階までが限界となります。そうなれば、日影も少なく、景観に関しては大きな街並みを維持することができます。また、建ぺい率が抑えられていれば地面にも陽がよく行き届き、冬であっても街全体が明るく感じられます。といったように、空地割合が高くなるということから、自然と緑も増えていくのです。時間の経過とともに木々は多く育ち、低い建物の家並みを覆い隠してもくれ、住めば住むほど五感で自然を楽しむ暮らしができるというのが大きな理由だといえるでしょう。

また、区画が細かく分割されるのを防ぐため、敷地面積の最低ラインを定めている行政も決して少なくはありません。これに関しても、良い環境を保つことが大きな狙いでもあります。住む人の数が少ないため、街中での渋滞や混雑も起きにくいといえるでしょう。要するに、「第一種低層住居専用地域」は様々なシチュエーションにおいて、ストレスを感じさせない環境づくりを第一として考えているのです。

では、この「第一種低層住居専用地域」というのは具体的にどのあたりになるのでしょうか。そもそも、人の流れが非常に多い都市部において、「低層地域」はごくわずかな場所にしか存在してきません。

例えば、港区であれば「高輪4丁目」のごくわずかな一画、文京区であれば「本駒込6丁目」で大和郷(やまとむら)と呼ばれる場所などになります。ちなみに、千代田区や中央区には「第一種低層住居専用地域」そのものが存在してこないのです。ただ、渋谷区から城南にかけては徐々に増え出してきています。渋谷区は日赤通りの一画である「広尾3丁目」のごく一部が最も都心に近いとされています。渋谷区だと「松濤」や「上原」も該当箇所となります。品川区と目黒区に関してはさらに増え続け、「東五反田5丁目」、「東五反田3丁目」、「上大崎2丁目」、「北品川5丁目」、「北品川6丁目」といった城南五山が該当箇所で、目黒区は「青葉台」や「上目黒」も対象地域になってきます。同じ「第一種低層住居専用地域」でも、「建ぺい率50%・容積率100%」と低く制限されているのが、目黒区の「下目黒6丁目」などあります。世田谷区や大田区などは「建ぺい率40%・容積率80%」といったように、区によってはさらに建ぺい率と容積率を低く制限することで環境を保とうとしている場所もあるのです。

商業系地域

商業向けの地域も2種類に分類されています。店舗や事務所などを建てていい商業地域では、建ぺい率が80%。容積率は200~1000%まで認められています。仮に建ぺい率80%、容積率1,000%の土地が100㎡あったとすれば、土地の大半(80%)には建物が建ち、残り(20%)は駐車場などに使われると考えられます。建物はぐんと上に伸び、1階と同じ広さ(80㎡)の上層階が12階(総床面積は980㎡)まで作られるかもしれません。上に長いオフィスビルといった感じですね。

といったように、用途地域によって建てられる建物も決まってくるのです。そもそも、商業地域とは「銀行」や「映画館」、「飲食店」や「百貨店」などが集まる地域で、住宅や小規模の工場も建てることができます。では、具体的にこの商業系地域で建てることのできる建物にはどのようなものがあるのでしょうか。

建てられるもの
  • 戸建てやマンション
  • 店舗兼住宅や住宅兼会社の事務所
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校
  • 図書館
  • 神社、寺院、教会
  • 老人ホームや身体障害者のための福祉施設
  • 保育所、公衆浴場、診療所
  • 老人専用の福祉施設、児童厚生施設(延べ面積600平方メートル以下のみ可)
  • 派出所、公衆電話ボックス
  • 大学や専門学校
  • 大学病院や国立病院
  • お店となる所在が2階より下で床面積が150平方メートル以内のもの
  • お店となる所在が2階より下で床面積が500平方メートル以内のもの
  • これまで以外の物品販売業
  • お店となる所在の床面積が10000平方メートルを超えるもの
  • ボーリング場、スケート場、プール
  • ホテルや旅館
  • 雀荘やパチンコ店
  • カラオケ店
  • 車庫(2階より下で床面積が300平方メートル以下)
  • 営業用倉庫、車庫(3階より上または床面積が300平方メートルを超えるもの)
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル未満)
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル以上)
  • キャバクラ、キャバレー
  • 風俗店(主にソープランド)
  • 工場(50平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 自動車修理工場(300平方メートル以下)
  • ガソリンスタンド
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にあまり関係していない建物

以上が建てられるものとなります。では、逆に建てられないものにはどういったものがあるのでしょうか。

建てられないもの
  • 工場(150平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 工場(かなり危険で周りに悪影響を与える可能性が大きい)
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物に少しだけ関係している建物
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にかなり関係している建物

以上が商業系地域では建てることができない建物となります。ここまで見てわかるように、商業系地域ではほとんどの建物が建てるといえるでしょう。

商業系地域の大きな特徴としまして、ショッピングモールも含む大型店舗、飲食店、会社の事務所などが入った商業ビルやオフィスビルに加え、マンションやアパートといったあらゆる種類の建物が存在する街並みだといえます。

それと、ターミナル駅周辺や大都市の都市部に指定されることが多く、代表的な市街地として扱われることが多くあります。そもそも住居専用地域ではないため、日当たりなどの「北側斜線制限」や「日影規制」などの内容にそこまでのこだわりがないというのも特徴の一つです。

建ぺい率と容積率も非常に大きく定められているため、ビルやマンションが多く入り組んでいるといえるでしょう。そのため、現在は空き地であっても、将来的に何かしらの高層ビルやマンションが建つ可能性も高いです。

といったことから、各種様々な用途の建物を建てることができるので、建物や土地も非常に売れやすい傾向にあります。それと、建ぺい率と容積率が大きいため、タワーマンションは商業地域内で建てられることが多いです。しかし、そこは商業地域であるため、150平方メートルを超える本格的な工場は建てることができません。

工業系地域

工場などが建ち並ぶ工業地帯は3種類に分類されています。仮に工業専用地域だとしたら、建ぺい率は土地の状況に応じて30~60%、容積率は200~400%になります。工業地の広さが100㎡で、建ぺい率が50%、容積率が300%だとしたら、工場の建物が敷地の半分くらいで、1階と同じ広さのフロアが6階まである建物になると考えられます。

では、具体的に工業系地域で建てることのできる建物にはどういったものがあるのでしょうか。

建てられるもの
  • 戸建てやマンション
  • 店舗兼住宅や住宅兼会社の事務所
  • 図書館
  • 神社、寺院、教会
  • 老人ホームや身体障害者のための福祉施設
  • 保育所、公衆浴場、診療所
  • 老人専用の福祉施設、児童厚生施設(延べ面積600平方メートル以下のみ可)
  • 派出所、公衆電話ボックス
  • お店となる所在が2階より下で床面積が150平方メートル以内のもの
  • お店となる所在が2階より下で床面積が500平方メートル以内のもの
  • これまで以外の物品販売業
  • ボーリング場、スケート場、プール
  • 雀荘やパチンコ店
  • カラオケ店
  • 車庫(2階より下で床面積が300平方メートル以下)
  • 営業用倉庫、車庫(3階より上または床面積が300平方メートルを超えるもの)
  • 工場(50平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 自動車修理工場(300平方メートル以下)
  • 工場(150平方メートルより下で周りの環境に悪影響を与えることがほとんどない)
  • 工場(かなり危険で周りに悪影響を与える可能性が大きい)
  • ガソリンスタンド
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にあまり関係していない建物
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物に少しだけ関係している建物
  • 火薬類、石油類、ガス等の危険物にかなり関係している建物

以上が建てられるものとなります。では、逆に建てられないものにはどういったものがあるのでしょうか。

建てられないもの
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校
  • 大学や専門学校
  • 大学病院や国立病院
  • お店となる所在の床面積が10000平方メートルを超えるもの
  • ホテルや旅館
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル未満)
  • 劇場や映画館(客席となる箇所の床面積が200平方メートル以上)
  • キャバクラ、キャバレー
  • 風俗店(主にソープランド)

以上が工業系地域では建てることができない建物となります。

以上のように、用地の用途によって建ぺい率と容積率は決まっています。用地の用途の違いによって同じような高さ、同じような広さの建物が建つ、統一感のある町並みが自然とできあがっていくのですね。ただ、注意点として、商業向けの地域でも一部(近隣商業地域)では、一般の住居を建てられるようになっています。先ほど見たように、商業地域では敷地のぎりぎりまで建物が建ち、階数も高くなる傾向があると紹介しました。何も知らずに商業地に土地を買ったら、隣に12階建ての雑居ビルが建ち、日当たりがゼロになってしまうかもしれません。自分がどのような用途の土地に買うのか、建ぺい率と容積率はどうなのか、家を買う前には細かくチェックしたいです。専門的な知識がなく不安だという方は、購入前に住宅系のセミナーに参加するなどして、しっかりと相談をしておきたいですね。

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