土地購入の前に注意したい土壌汚染について

購入を考えている土地は汚染されているかも

土地を購入する際、交通の便や周りの環境などに注目する方も多いはず。条件をもとに土地探しをするのも良いですが、すぐに土地購入を即決しては危険です。土地を購入する前に必ず土壌汚染の影響がないかを確認する必要があります。

土壌汚染とは、有害な物質が土壌に浸透し、土壌や地下水などが汚染された状態のこと。汚染された土地に住み続けることで、健康被害を受けたり経済リスクが高まったりする可能性があります。もしかしたら購入を考えている土地が、汚染されているかもしれません。

ここでは、土地を購入する前に知っておきたい土壌汚染の調査方法やリスクについて解説。国が定める土壌汚染対策法についても紹介しています。

土壌汚染された土地かを調べる方法

土壌汚染を受けた土地かを調べる方法として、自主的に調査する方法と専門家に依頼する方法があります。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。

購入しようとしている土地に以前工場やガソリンスタンドなどが建っていた場合、使用していた有害物質が土壌に浸透して土壌汚染の影響を受けている可能性も。そのような土地に住宅を建ててしまうと、経済面や健康面に大きな影響を及ぼす危険性があるのです。問題発生の際に生じるリスクを避けるためにも、土地の購入前に土壌汚染された土地なのかどうかを調べる必要があります。

登記所で調べる

過去の工場用地やガソリンスタンド跡地などで土壌汚染の可能性がある土地なのか知りたい場合、登記所で調べられます。登記所とは、登記事務を取り扱う機関のこと。法務局、または地方法務局で、土地・建物などに関わる不動産登記の記録が公開されています。不動産登記は、土地や建物の現況や権利関係などが記されているもの。不動産登記を確認することで、対象となる土地の過去履歴や問題点、土壌汚染のおそれの有無などを把握することが可能です。

専門家に調査を依頼する

自身で登記所に足を運んで調査することも可能ですが、土地の状況によっては専門的な知識が必要になることも。しっかりとその土地を調査するなら専門家に依頼することをおすすめします。調査費用はかかりますが、そのぶん専門家に依頼することで書類上の調査(地歴調査)だけでなく、聞き取り調査や現地踏査などで詳しく土壌汚染の有無を調べることが可能。より詳細な調査を行うことで土地購入のリスクを抑えられます。

土壌汚染のリスクとは?

土壌が汚染された土地を購入して家を建てた場合、健康リスクや経済的リスクなど、さまざまな影響を及ぼすおそれがあります。

環境・健康リスク

  • 土壌粒子が飛んだときの吸入摂取
  • 手などを介しての経口摂取
  • 悪臭、不快感など生活環境の阻害
  • 空気汚染

経済的なリスク

  • 土地の資産価値が下がる
  • 土壌調査・対策の費用が生じる
  • 訴訟・賠償費用が生じる可能性がある

土壌汚染の特徴として、汚染の有無や濃度、範囲に関して目で判別することができません。その上、土壌中の汚染は長期にわたって周辺に溜まります。ほかにも、土壌中の有害物質が地下水に溶けだし、広範囲に拡散されているおそれもあるのです。

土壌に含まれた化学物質を呼吸で吸入したり、土壌を触った手からの経口摂取だったりと、さまざまな方法で体内へ入り健康被害が生じるおそれも。また、土壌汚染された土地を購入することで土壌調査や対策の費用が発生するほか、土地の資産価値が低下する可能性もあります。ほかにも、売主とトラブルになり損害賠償請求や裁判などに発展する可能性もあり、経済的なリスクも高くなってしまうのです。汚染された土地に住むことで健康や経済的なリスクが非常に高くなります。土地選びには十分注意しましょう。

土壌汚染調査のタイミング

土壌汚染かどうかを調査する場合、土地の購入前・購入後では、どちらのタイミングが良いのでしょうか。ここでは、購入前と購入後で考えられるポイントをご紹介します。

購入前

土地を購入する前に土壌汚染調査を行うことで、土壌の汚染の有無を確認できます。自主調査を行う場合、基本的には買主と売主で話し合ってどちらが調査するかを決定するケースが多いようです。

調査によって万が一汚染が確認された場合、汚染された土地の購入を回避することが可能。売主が対策を行った後に購入、土地の購入費用から対策費用分を差し引くなど、購入前の調査を実施することでさまざまな対応・対策をとることもできます。

購入後

土地を購入した後に土壌汚染調査を行った場合、有害物質で汚染された土地を購入してしまうおそれがあります。また、住宅の施工中に土壌汚染が確認され、工事が延期になってしまうケースも。

購入後に土壌汚染が発覚して売主に契約の取り消し、調査・浄化費用などを請求しても応じてもらえず、結果的に損害賠償請求や裁判に発展する可能性もあるのです。

ほかにも、以前同じ場所に工場やガソリンスタンドなどがあったことを後々知ったが、家を建ててしまい調査できない、といった事態を招くおそれもあります。

購入前に土壌調査を行う方が良い

土地を購入する前と後で土壌汚染調査を行うのでは、想定されるリスクが異なります。購入する前に調査を行うことで、土地の購入を再度検討できるほか、さまざまな経済面でのリスクを回避することが可能です。

一方、購入後に土壌汚染調査を行って汚染が確認された場合、工事が延期になるだけでなく、汚染を除去する費用などが発生して負担が増えるおそれも。場合によっては汚染除去に関して売主とトラブルになり裁判にまで発展し、結果マイホームを手に入れるのに時間がかかってしまうなどのリスクを負う場合があります。

見ただけでは土壌汚染された土地なのかは判断できません。今後安心して暮らせる家を建てるためにも、購入前に土壌汚染調査を行うことをおすすめします。

土壌汚染対策法について

土地の土壌汚染を発見する調査や土壌汚染による健康への影響を防止、土壌汚染土地の適切な管理方法を定めた法律「土壌汚染対策法」。ここでは、土壌汚染対策法の特徴について解説しています。

土壌汚染対策法とは

土壌汚染対策法は、2003年2月に施行された法律です。土壌汚染の状況を把握して、健康被害に対する防止や対策、措置を定め土壌汚染対策を実施し、国民の健康を保護することを目的としています。

この法律により、以下のような場合土地の所有者や管理者、占有者が土壌汚染状況調査の実施・報告を行うことが義務付けられています。

  • 有害物質使用特定施設(有害物質を取り扱う工場など)を廃止する場合
  • 一定規模(3,000m2)以上の形質の変更がある場合
  • 土壌汚染によって健康被害が発生するおそれがある土地の場合

土地の所有者は指定調査機関に調査を行ってもらい、出た結果は都道府県知事へ報告することになっています。

どのような調査を行うの?

土壌汚染状況調査は、特定有害物質ごとに測定項目が異なります。

第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)の場合

  • 地表~1mまでの土壌ガスを採取。ガス濃度を測定します(土壌ガスが採れない場合は地下水を採取する)
  • ガス濃度が高い地点で一定深度の土壌を採取。土壌溶出量を測定します(採取深度は10mまで)

第二種特定有害物質(重金属など)の場合

  • 地表~50cmまでの土壌を採取。土壌溶出量ならびに土壌含有量を測定します

第三種特定有害物質(農薬など)の場合

  • 地表~50cmまでの土壌を採取。土壌溶出量を測定します

調査によって、土壌ガスの検出や溶出量・含有量の基準を超える量が確認された場合、土壌汚染された土地とみなされます。

区域の指定について

土壌汚染状況調査の結果により基準を超過した場合、都道府県知事は健康被害のおそれの有無に応じて、「要措置区域」または「形質変更時要届出区域」に指定します。

健康被害のおそれがある場合

健康被害が生じるおそれがあると判断された場合、法第6条に基づき「要措置区域」に指定されます。

要措置区域とは、土壌に含まれる有害物質が体内に入ってしまう経路(摂取経路)があって健康被害が発生するおそれがあるため、汚染除去などの措置が必要な区域のこと。法第7条で汚染の除去などの措置を都道府県知事が指示、法第9条にあたる土地の形質変更の原則禁止が適用されます。

健康被害のおそれがない場合

健康被害が生じるおそれがないと判断された場合、法11条に基づき「形質変更時要届出区域」に指定されます。

形質変更時要届出区域は、土壌に含まれる有害物質が体内に入る経路(摂取経路)がなく健康被害が生じるおそれがないため、汚染の除去などの措置が不要と判断された区域のこと。法第12条により、土地の形質変更を行う際、都道府県知事に開発計画の届け出が必要になります。

汚染除去の措置がとられた場合は、要措置区域、形質変更時要届出区域の指定が解除されます。

汚染土壌の搬出規制について

要措置区域内から汚染された土壌を搬出する場合、事前に届出が必要となります。

また、要措置区域かつ形質変更時要届出区域内の汚染土壌を区域の外に搬出する場合、搬出の着手14日前までに都道府県知事に届出が必要です。さらに、区域外へ土壌を搬出する場合、汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託することが定められています。

土地購入前の土壌調査は重要

人生のなかでも大きな買い物となるマイホーム。理想の家を建てて家族と安心して暮らすためにも、土地選びはとても重要になります。見ただけで土地を購入する前に、購入を検討している土地が土壌汚染されていないか、しっかり調査を行うようにしましょう。

以前工場やガソリンスタンド、クリーニング店などがあった土地は、当時使用していた有害物質が土壌に浸透して土壌汚染されている可能性が高いとされています。土壌汚染は目で判別できるものではありません。対策を行わない限り有害物質が溜まったり地下水などによって周囲へ広がったりして、健康被害が生じる可能性を秘めています。

土地を購入した後に調査をすると経済的なリスクが高くなるため、購入前に土壌汚染調査を行うようにしましょう。登記所で自主的に調べる方法もありますが、専門家による調査の依頼で本格的に調べてもらうことをおすすめします。

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